もちろん現在の彼女がどんな生活を送っているのかは分からない。あの時、一緒に走り回った彼女の子供たちも、今では当時の僕らと同じ年齢になっている。手元にはたった一枚、みんなで写した写真がある。いつでも連絡が取れると思っていれば、もしかすると、こんなに大切にはしていなかったのではないかと思う。(本文より)
この町で僕らはある一人の女性と出会った。船着き場から町中へ向かうタクシーの運転手さんで、僕らより少し年上のとても明るい人だった。(本文より)
「ここは高い」「あそこも高い」と一つ一つ魅惑のリゾート地が消えていき、結果的に残ったのが、ペルヘアティアン島という、今日覚えても明日には忘れてしまいそうな名前のマレーシアの孤島だった。